大判例

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札幌高等裁判所 昭和27年(う)560号 判決

職権により調査すると原判決は前科なしとの判断の下に累犯加重をしないで被告人を処断していることが認められる。しかし当裁判所において札幌高等検察庁より当裁判所に提出の札幌高等検察庁検察事務官平井通夫作成に係る被告人の前科調書によると、被告人は昭和二十一年四月十一日浜松区裁判所において、窃盗罪により懲役一年六月に処せられ本件の各犯行当時既にその刑の執行を受け終つていたものであることが明らかである。元来被告人の前科の有無の確定は科刑の基準となるものであるから「罪となるべき事実」と同様慎重に審理を尽し、合理的に判断するを要するものと解すべきところ、本件記録及び前科調書によると、原裁判所の被告人の本籍照会及び検察庁に対する前科照会もなさず漫然被告人は前科なしと判断累犯加重をしなかつた措置は合理的でなかつたという非難は免れ難い。即ち原裁判所は、前科の有無について充分審理を尽さなかつたことにより、原判決に理由のくいちがいを生じたものといわなければならない。さればこの点において結局原判決は破棄を免れない。

(後略)

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